![]() | 犬が星見た―ロシア旅行 (1979年) (1979/02) 武田 百合子 商品詳細を見る |
著者の1ヶ月余のロシア紀行文。武田泰淳氏・竹内好氏同行。
船に乗って、列車に乗って、飛行機に乗って、
色々なものを食べたり、土地の人と話したり、買い物したり。
とてもとても大好きな本。2年に一度くらい、読み返す。
「富士日記」もそうだが、文が人を表すなら、著者は本当に素敵だと思う。
野蛮を感じるほど自由で、愛が溢れている。
でも下品じゃない。生まれ持った資質が上品なのだろうなと想像する。
気高い美しい魂、と言ったら言い過ぎか。
本当に「犬が星見た」ような日記だ。純粋なそのまんまの目線。
感動もユーモアもマイナスな感情も、過剰じゃないのに、よく伝わってくる。
思ったことを率直に書いてある。だからすごく面白い。
同行の老人たちに対する愛が、深い。
それはただ優しいとか親切とかマメとか、そんな分かりやすい事ではなくて、
いつもちゃんと見ている、感じ。受け入れている、感じ。
銭高老人という一風変わった人物が登場するが、
そのおかしさを、愛とユーモアで受け入れているところが素敵。
だから読者にとっても、彼銭高老人がとても魅力的な人物に見えてくるのだ。
あぁ何を言っても言葉足らず。
好きな本について書くのは難しい。陳腐な言葉ばかり思い付いてしまう。
また色々思い出したら、書き足そう。
とりあえず、すごく素敵な本と言っておく。しかも面白い本だ。
読むと自由になる。愛やユーモアを思い出す。
大好きな本、きれいな純粋な魂の本★★★★★
いつつぼし | trackback(0) | comment(0) |
![]() | ぼんさいじいさま (2004/05) 木葉井 悦子 商品詳細を見る |
桜の時期が終わってしまわないうちに、大好きな絵本の話をひとつ。
木葉井悦子さんの「ぼんさいじいさま」。
枝垂れ桜の盆栽が満開になった日、現れたひいらぎ少年とじいさまのお話。
素晴らしすぎて、読むたび涙がにじむ。
木葉井さんの絵本はいつもエネルギッシュな生命力に満ち溢れているが、
この絵本は静かでやさしい生命でいっぱいだ。
鳥も動物も草も花も、小さなものまで愛されて描かれている。
生きている、ことが伝わってくる。
大人になってから出会った絵本の中で、
私にとってとても大切なものとなったのは2冊。
ユリー・シュルヴィッツの「よあけ」と、この「ぼんさいじいさま」だ。
「よあけ」が始まりの話なら、「ぼんさいじいさま」は終わりの話だ。
両方ともそれぞれが、私にとっての理想形だ。
どちらもぱらっとめくれば一分くらいで読めてしまう絵本だ。
短いお話だから、尚更に究極だ。
読むと心が静かになる。美しく生きようと思う。
書きながら、木葉井さんの名前が亡き祖母と同じだということに気が付いた。
ひいらぎ少年が登場するが、
可愛い甥っ子の名前にも「柊」の字が使われていることを思い出した。
こんなささやかな二つの偶然だが、何かの縁だろうと思う。
この絵本はきっとずっと好きだと思う。
とても大切な、最高の絵本★★★★★
![]() | よあけ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本) (1977/06) ユリー・シュルヴィッツ、瀬田 貞二 他 商品詳細を見る |
いつつぼし | trackback(0) | comment(0) |
![]() | 東京人生SINCE1962 荒木 経惟 (2006/10/13) バジリコ この商品の詳細を見る |
卵を茹でながらぱらぱらと頁を捲っていたら、止まらなくなってしまった。
1960年代から最近までの荒木経惟さんの写真が並んだ贅沢な本。
彼の撮った人物写真は凄い。みんな美しいなと思う。
有名な人は、見えなかった見たかった一面が表れているようで。
無名な人は、人生が浮かびあがり、色々を思い起こさせるようで。
女性たちは、本当に美しくて、肉っぽくて水っぽい。えろい。
亡くなった人たちの写真も沢山あった。切なくて暖かい。
陽子さんの写真は数ページだったが、また涙が出そうになった。
写真が凄すぎて、私なんかの言葉では全然足りない。荒木経惟さんは凄い。
でこぼこな街や人間が美しいなと思える本★★★★★
追記
かつて大泣きした写真集は「センチメンタルな旅・冬の旅」。
数年に一度くらい、頁を開く。研ぎ澄まされる本。大事な本。
![]() | センチメンタルな旅・冬の旅 荒木 経惟 (1991/02) 新潮社 この商品の詳細を見る |
いつつぼし | trackback(1) | comment(0) |
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